動物介在プログラム 基礎 講習会

どんな講習会?

動物介在プログラムとは(1) 

講師:山崎 恵子先生 (一般社団法人 アニマル・リテラシー総研)

 

 

動物介在プログラムを気軽にアニマルセラピーと呼ぶ人たちもいますが、実はその言葉は極めて曖昧なものなのです。セラピーというと「療法」、つまり人間に対して何らかの治療行為をするということになります。確かに、英語の「therapeutical」という単語は、治療的という意味以外に癒しを与えることを形容する言葉として用いられることもあります。しかし、セラピーと言ってしまうと「治療」をするものということになってしまうのです。今流行りの現象であるアニマルセラピーでも、まず言葉の誤解がたくさんあるのです。自分がやっているつもりのものが実はそうではない… そのようなことも知らずにやっている… このような人たちがどれだけいるのでしょう?

 

言葉の意味のみならず、この分野にはたくさんの「神話」があります。例えば「アニマルセラピスト」という名称です。このような仕事はありません。人間のセラピスト、つまり療法士が動物を活用することはありますが、この人たちは何年間も人間の治療技術を学んで、かつ国家資格を取得した人たちです。アニマルセラピストを養成すると言っている方々もいますが、人間、即ち患者に対応する専門知識をどれだけその養成の課程において教えているのでしょうか?また、人間に対応するための資格は一体どのようなものなのでしょうか?人間に対応するための正式な資格を持っていない人にセラピスト(療法士)という名称を与えて良いのでしょうか?何やら恐ろしい気もします。

 

さらに、セラピー犬とは一体どのような犬なのでしょう?

 

補助犬や警察犬と同じような位置づけなのでしょうか?セラピー犬は、あくまでも補助犬のような法的に認められている「プロの犬」、いわゆる作業犬ではありません。大切に家族の一員として育てられている家庭犬です。その犬が人間の家族のパートナーとボランティアをするのです。基本的なしつけや性格的適正は必要であっても、特殊な「厳しい訓練」は必要ありません。人間のパートナーとの信頼関係があり、社会性もあり、とにかく人が好き、そして健康体であることが必要なのです。むしろ人間のパートナーのほうが色々と条件を満たしていなければなりません。動物を連れていく人間がしっかりとしていることは必須です!このようなことを知ることから始めてみませんか?質の良い活動をするにはまず勉強からです。

 

 

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